臨床研究検査科

血液・一般検査室

血液検査とは

血液には細胞成分が約45%含まれ、残りの液体成分を血漿または血清といいます。細胞成分には大きく3種類の血球【赤血球,白血球,血小板】に分類され、人が健康に生活するために様々な働きをしています。液体成分には凝固・線溶因子といわれる蛋白質が含まれ、血管内で血液が固る(凝固)ことのないように、また出血しないように働いています。血液検査とはこれらの血球の数や形態・機能、そして凝固・線溶因子について調べる検査です。

  1. 赤血球は呼吸によって得られた酸素を運搬しています。赤血球数やヘモグロビン量が少なくなると、全身に必要量の酸素を供給できなくなるため、組織の細胞は酸素不足になりやすくなります(この状態を貧血症といいます)。
  2. 白血球は体内に侵入した細菌やウイルスなどの微生物あるいは異物を貪食(白血球内に取り込む)するか、あるいはそれらに対する免疫抗体を産生して無害なものに処理する一連の働きを担う血液細胞です。白血球は主に5つの種類【好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球】で構成されており、働きの場を求めて血管内を通路として体内を巡り監視しています。特に好中球が減少すれば細菌感染症にかかりやすくなります。
  3. 血小板の主な役割は出血を止める止血作用と血管の維持です。血小板の数が減少したり、機能が悪くなれば出血しやすくなったり、止まりにくくなります。
  4. 血液形態検査について・・・一番解りやすいのは、白血病細胞の発見です。白血病とは白血球の赤ちゃん(幼若細胞)が正常な成熟過程を歩まず無限に増殖するため、正常な血球が育つ場を奪われ、貧血・感染・出血しやすくなる病気です。異常細胞は機器では判断できないので、熟練した人の目で鑑別する必要があります。
  5. 凝固・線溶検査について・・・・・凝固・線溶因子は血小板や血管細胞とのバランスで必要な時と場所で凝固し、不要になれば血栓を溶かす重要な働きをしています。血栓症では血液が固まりやすくなっていますので、再発防止のため凝固因子の働きを抑える薬が処方されますが、その薬量の調節にはこの検査が必要です。

▲好中球

▲好酸球

▲好塩基球

▲単球

▲リンパ球

▲白血病細胞

一般検査とは

尿や便,嘔吐物,脳脊髄液,胸水,腹水,関節液,肺胞洗浄液,腹膜透析液など血液以外の様々な体液を分析しています。

尿検査について

尿は腎臓で血液をろ過して作られていますので、血中成分の異常と腎臓・膀胱などの尿路系臓器が異常を呈した場合の情報が得られます。膀胱炎など細菌感染症では混濁した尿中に多数の白血球と細菌が認められます。血尿が見られた場合は尿路系の癌が疑われます。尿路系の癌では顕微鏡検査によってがん細胞をしばしば認めます。尿蛋白検査は、糖尿病性腎症や心血管疾患、慢性腎臓病の早期発見のために検査されます。また尿に糖が出た場合は糖尿病を疑い精査されます。

便検査について

大腸がんで認められる下部消化管出血をみる便潜血反応や、寄生虫検査などがあります。

脳脊髄液の検査

中枢神経系感染症が疑われるときに検査されます。中枢神経感染症は緊急的かつ適切な治療を直ちに行わないと致命的となり、神経系の後遺症を残す恐れがあります。含まれる白血球や蛋白質・糖を検査して感染症の鑑別を行います。

▲膀胱炎(白血球と真菌)

▲病的円柱出現

▲尿路上皮癌細胞