臨床研究検査科

生理機能検査室

生理機能検査室

生理機能検査室では,検査で得られた患者さんのデータを生理検査システムで管理し,診断や治療に必要なデータとして臨床サイドに提供する事を目的に業務を行っています。

心電図検査

安静時心電図

心臓全体の電気的活動を波形に表したもので,不整脈や虚血性心疾患などの診断に用いられます。

運動負荷心電図検査(トレッドミル負荷試験)

主に虚血性心疾患の診断や心機能評価を目的として,ベルトコンベヤー状の検査装置の上を歩いたり走ったりし,心電図・血圧の変化や自覚・他覚症状の有無を比較評価するのに用いられます。

ホルター心電図検査

心電図を長時間(24時間)記録する事で,発作性の不整脈・狭心症などの検出や診断に用いられます。検査中も運動や食事制限は無く,日常生活を送っていただけます。また短時間ですが入浴も可能です。

イベントレコーダー

動悸・息切れ・めまい・胸痛などの症状はあるが,不定期で発生頻度が少ない患者さんに約2週間イベントレコーダーを貸し出します。症状を自覚した時,患者さんの指でイベントレコーダーの電極を押さえ心電図を記録してもらいます。

血管機能検査

血圧脈波検査(CAVI/ABI検査)

両腕・両足首に血圧カフを巻き,血圧と脈波を測定する検査です。血管年齢や動脈硬化の程度を数値として評価します。

皮膚組織灌流圧検査(SRPP検査)

レーザー光と血圧カフを使用して皮膚組織レベルの毛細血管の血流状態を評価する検査です。重症下肢虚血の重症度評価や難治性潰瘍の治癒予測に用いられます。

心肺運動負荷検査

心肺運動負荷試験(CPX検査)

心臓に疾患がある場合でも,心臓に負荷をかけすぎないで運動を長時間続けることができる運動耐容能力(持久力)を調べる検査です。心臓リハビリテーション時の運動処方作成や心不全における病態把握、治療効果の判定などに用いられます。

体成分検査

体成分測定検査(In Body検査)

体水分量,体脂肪量,筋肉量等の体成分を測定する検査です.ベッドに横になった状態で5分間安静にし,体水分を安定させてから検査を開始します.装着した電極から微弱な電流を流して測定する為,妊婦やペースメーカを装着されている患者さんは検査できません。

肺機能検査

肺機能検査

息を吸って吐き出す能力や,肺の内部で酸素と二酸化炭素を交換する力などを調べる検査です.喘息や慢性閉塞性肺障害(COPD),間質性肺疾患などの診断や早期発見に役立ちます。

呼吸抵抗検査

気道の状態を調べる検査です.安静な状態で呼吸を整えてから検査を行います.喘息や COPDのように,気道が狭くなる疾患では,呼吸をする時に空気が気道を通りにくくなります.この通りにくさの程度を,呼吸抵抗として波形と数値で評価します。

脳波・筋電図検査

脳波検査

脳内に流れる非常に微弱な電流を頭皮上に装着した電極を用いて波形として記録したものです。てんかん,脳腫瘍,脳血行障害,脳炎などの診断に用いられます。

神経伝導検査

手足が痺れる,物が持ちづらいなどの末梢神経異常が疑われる患者さんに行われる検査です。皮膚の上から末梢神経に電気刺激を与え,伝導速度や振幅(伝わる速さや強さ)を測定し,神経障害の有無や程度を評価します。末梢神経疾患や脊髄疾患などの診断,病態の把握に用いられます。

感覚機能検査

重心動揺検査

めまいなどの平衡障害を客観的に評価するための検査です。検出台の上で開眼・閉眼状態で各60秒間直立し,体の揺れの状態を総軌道距離や動揺面積等などで評価します。

電流知覚閾値検査(CPT)

神経障害の程度を調べる検査です。装着した電極から微弱な電流を流し感じる事のできる境界を調べます。

超音波検査

超音波検査

人間の耳には聞こえない高い周波数(超音波)を用いて,体内臓器を画像化する検査です。放射線を使用しないため,被爆の心配がありません。

心臓超音波検査

胸部より超音波を照射し,動いている心臓の内部構造を描出し,心臓の動きを動画として観察する検査です。心臓弁膜症や虚血性心疾患,心筋症などの診断に用いられます。治療方法の選択や治療効果の判定,手術時期の決定などに役立ちます。

<バルブカンファレンス>

心臓血管外科医と循環器内科医,生理検査室スタッフで定期的にバルブカンファレンスを行い,臨床情報の共有と知識向上を目的として日々研鑽を積んでいます。

経食道超音波検査

食道に超音波プローブを挿入し,食道の中から動いている心臓の内部構造を描出し,心臓の動きを動画として観察する検査です。心房細動患者さんの左房内血栓の評価や,弁膜症を中心とする心臓手術全般の術前・術中評価に用いられます。

頸動脈超音波検査

頸部より超音波を照射し,頸動脈を観察する検査です。動脈硬化やプラークによる血管狭窄・閉塞などの評価に用いられます。

上肢・下肢血管超音波

上肢や下肢から超音波を照射し,動脈や静脈を観察する検査です。静脈では,エコノミークラス症候群に代表される静脈内血栓や静脈瘤の評価に用いられます。動脈では,動脈硬化の程度や血管狭窄・閉塞などの評価に用いられます。

腹部超音波検査

腹部より超音波を照射して,肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓・大動脈などの腹腔内臓器を観察する検査です。各種臓器の腫瘍をはじめとして,結石,嚢胞,ポリープなどの発見や脂肪肝,肝炎,肝硬変などの各臓器の形態の評価に用いられます。

泌尿器超音波検査

腹部と背部より超音波を照射して,腎臓・副腎・膀胱・前立腺などの腹腔内臓器・骨盤内臓器を観察する検査です。各種臓器の腫瘍をはじめとして,結石,嚢胞などの発見や形態の評価に用いられます。

乳房超音波検査

乳房に超音波を照射し,乳腺を観察する検査です。乳腺内の腫瘍の有無や大きさ,リンパ節への転移の有無などの評価に用いられます。

甲状腺超音波検査

頸部より超音波を照射して,甲状腺を観察する検査です。甲状腺の大きさや腫瘍の大きさ・性状・位置などの評価に用いられます。