化学療法科

概要・方針

概要・診療方針

当院では2002年4月に外来化学療法治療室として4床からスタートしました。
症例数の増加と、関連スタッフ(認定薬剤師・認定看護師)の養成が整い、2008年4月より、8床のリクライニングチェアと2床の電動ベッドの計10床へ設備の拡充を加え、病棟の一部を化学療法科として運営しています。

治療室は7階にあり、大きな窓から見える四季折々の景観と静かな空間が好評です。患者さんには、リラックスしていただけるようにBGM(クラシック音楽)を流し、テレビやDVDの設置や読書、食事も自由にできるように配慮しています。また、よりたくさんの情報を提供できるように各種パンフレットやウィッグの紹介コーナーも設けています。

外来化学療法は、患者さんがこれまでの生活をできるだけ維持しながら、がん治療が受けられることが利点であり、安全で且つ治療効果が最大限に引き出されることが望まれます。当科では、がん治療について専門的な知識と経験を持った専門スタッフを配備しています。また、院内でレジメン審査体制を構築し、各がん種における標準的治療法といわれる最前線のレジメンを導入しています。一方、安全を担保するため、抗がん剤投与履歴をデータベースで管理し、適切な投与量・投与間隔を遵守するように努めています。

診療内容

2009年度、外来化学療科で治療を行ったのべ件数は、3128件で、1日平均13件、月別平均260件でした。詳細は下記グラフに示しています。

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当科の特色

当院は、チーム医療を推進しています。
各診療科の医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、栄養士など多職種で定期的にカンファレンスを行い、患者さんに安全で最良の化学療法を提供できるように努力しております。

近年、高齢化・核家族化が進み、家族からの援助が難しいケースも増えてきました。在宅時間の不安が強いため、在宅治療に移行できない症例については、専門スタッフが来院時に十分な情報交換を行うとともに、在宅時の電話相談など当院スタッフから積極的な対応に努めています。さらに、当院は救命救急センターとして24時間入院可能な診療体制を持ち、外来化学療法中の患者さんの対応に関しても、スムーズに機能しています。

実際の治療に際して、

  1. 治療方針の決定
  2. 治療前・退院時オリエンテーション(看護師・薬剤師・ソーシャルワーカーなど)
  3. 外来治療日 問診 → 採血 → 診察 → 治療室 → 帰宅
  4. 在宅期間のフォローアップ
  5. 主治医制をとっており、治療方針の決定には患者さんにとって適切な治療が導けるようがん治療の方向性をコーディネートしながら、患者さんにとってより良い環境での治療提供と患者さんとその家族の方が安心して治療に参加していただけるようなチーム医療を目指しています。