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2017年10月11日、18日の両日、FMはつかいち(FM76.1MHz)のはつかいち医療情報コーナーに外科 田﨑医師が出演しました。その内容をご覧頂けます。内容は「そけいヘルニアについて」です。

2017年10月18日

今回のテーマは「そけいヘルニア」です。

JA広島総合病院 外科 田崎達也が答えます。

Q1:そけいヘルニアとはどのような病気ですか。

 立った時やお腹に力を入れた時に、下腹部、足の付け根の部分がぽこっと出てくる、手で押さえたり寝ころんだりするととひっこむ、このような症状がでるのが、そけいヘルニア、という病気です。「そけい」とは、医学用語で足の付け根の部分のことをいいます。本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。一般の方には「脱腸」とも呼ばれている病気です。
 放置しておくと、まれに飛び出した腸が戻らなくなる、嵌頓とよばれる病態がおきることがあります。こうなると腸閉塞になったり、腸の壁が腐ってしまったりするようなことがあり、緊急手術が必要となります。

Q2原因はなんでしょうか

 子供に発症するそけいヘルニアは、生まれつきの病気です。成人期に発症するそけいヘルニアは、筋肉が緩んで隙間、穴ができてしまうことが原因です。この隙間、穴をヘルニア門といいます。生まれつきヘルニアがあっても孔(ヘルニア門)が小さくて症状として出ていなかったものが、年齢を重ねるとともに筋肉が緩んできて孔(ヘルニア門)が大きくなり、症状が出てくる場合もあります。

Q3なりやすい方の特徴はございますか

 この病気の男女比は10:1くらいですので、男性になりやすいといえます。男性の3分の1は生涯で発症するという説もあります。筋肉の緩みが原因ですので、高齢者ほどなりやすいです。筋肉の緩みが原因といいましたが、鍛えたらなりにくい、というわけではありません。むしろ、毎日腹圧をかける立ち仕事、肉体労働、スポーツ選手の方がなりやすいです。人間は毎日歩いて腹圧をかけていますので、予防はできません。
 そけいヘルニアの一部に、大腿ヘルニアという病態がありますが、これは、出産歴のあるやせた高齢女性に多いとされます。若年女性でも、妊娠で腹圧が増すことにより発症することがあります。

Q4治療はどのようなものになりますか

 自然に治ることはありませんので、治すためには、穴(ヘルニア門)をふさぐ手術しか方法はありません。「ヘルニアバンド(脱腸帯)」といって体の外からヘルニア門を押さえて一時的に症状を軽くするもものが販売されているようですが、これで、腸管がはまり込んで戻らなくなる嵌頓は予防できませんし、皮膚障害などが出ることもありますので、お勧めはできません。

Q5:ヘルニアが発症したら必ず手術が必要でしょうか。手術のタイミングはどうでしょうか

 嵌頓がおきたら病院をすぐ受診してください。まず医師が外から手で押さえて腸を戻します。それでも戻らなかったら緊急手術が必要です。医師が手で押さえて戻った場合にも、また同じことが起きる可能性がありますので、早めの手術が必要です。
 女性の場合、男性に比べ、嵌頓をおこす確率が高いとされていますので、手術が必要です。
 嵌頓までは至らなくても、患者様がそけい部の痛みを訴えられる場合があります。この場合、患者様ご自身が早めの手術を希望されます。
 そけい部がぽこっと出ているだけで、痛みがない男性では、早めの手術は必要ではなく、経過観察も可能です。このような患者様に対して手術治療と経過観察を比較した臨床試験があります。経過観察したグループでは、嵌頓の発生は年1%程度でしたが、徐々に痛みがでたり、ふくらみが大きくなったりして、年10%程度が手術に移行した、という結果でした。つまり、早めの手術までは必要ありませんが、いずれは手術が必要になる可能性が高いですので、若い方であれば仕事のスケジュールなどから考え、高齢者の方であれば、これ以上年齢を重ねる前、健康な時に手術を受けられてはいかがでしょうか。
 症状がある方は一度受診して、本当にそけいヘルニアかどうか、早期の手術が必要かどうか相談されることをお勧めします。

Q6:手術の方法について詳しく教えてください。

 子供のそけいヘルニアは、生まれつきの孔が原因で、周囲の筋肉は硬く、しっかりしていますので、縫って閉じるだけです。
 成人のそけいヘルニアは、筋肉のゆるみが原因ですので、ぬって閉じるだけでは不十分で、1割程度が再発してしまいます。
 現在、成人のそけいヘルニアに対しては、ポリプロピレンあるいはポリエステルでできたメッシュを筋肉の隙間に入れて孔(ヘルニア門)をふさぐ治療が一般的です。
 手術の方法は、そけい部を4-5cm切開してそこからメッシュを入れる方法と、近年急速にひろがりつつある腹腔鏡手術があります。腹腔鏡手術は、5mmから1cmの孔を3か所あけ、そこからメッシュを入れます。どちらの手術も、エキスパートがすれば再発率は1%程度と差はありませんが、そけい部には痛みにかかわる大事な神経が3本ありますので、そけい部切開では10%程度に、術後半年以上経過してもそけい部の痛みが続く慢性疼痛がおきるという問題があります。腹腔鏡手術ではそけい部を切開しないため、慢性疼痛はまれですが、技術的に難しいこと、術後腸閉塞、臓器損傷など重篤な合併症の報告もまれにあることから、ガイドラインでは、腹腔鏡手術は、手技に十分習熟した外科医のみが許される術式、とされています。
 そけい部切開法は局所麻酔でもできますが、腹腔鏡手術は完全に寝た状態、つまり全身麻酔が必要ですので、麻酔科医がいる病院でしかできません。
 そけいヘルニアは、術者や施設により再発率、慢性疼痛の発生率などの成績に差がありますし、腹腔鏡手術では特に再発率の差は大きいとされます。手術を受けられる時には、主治医の先生と手術の方法などについてよく相談されるとよいと思います。

Q7手術の後、すぐに仕事に戻ることはできますか

 そけい部切開法に比べ、腹腔鏡手術は術後の痛みが軽いため、早期の社会復帰が可能とされています。しかし、それなりの痛みはありますし、若年者ほど痛みが強い傾向があります。また、術後早期に腹圧をかけると、メッシュがずれて再発しやすいともされます。広島総合病院では8割以上の患者様で腹腔鏡手術を行い、手術の翌日に退院するスケジュールを選択しています。しかし、術後2週間程度は腹圧をかけないデスクワークまでにとどめておくことをお勧めします。

Q8最後に、日常生活の中で気をつけることは何かありますか

 そけいヘルニアは予防できる病気ではありませんし、自然に治ることもありませんので、足のつけねが飛び出る、違和感がある、といった症状が出ましたら、受診してください。似た別の病気もありますので、本当にそけいヘルニアか、そして手術をするか、手術のタイミング、手術の方法などについては専門の医師とよく相談してください。

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