消化器内科

概要・診療方針

概要・診療方針

消化器内科は、食道、胃、腸、肝臓、胆嚢、膵臓などの臓器の病気を診療する内科です。内科の中でも病気の種類がもっとも多い分野で、数多くの患者さんがいらっしゃいます。消化器内科では内視鏡機器や超音波機器などの最新機器が活躍します。これら機器を使えば患者さんへの少ない負担で最大の治療効果をあげることができるのです。

2009年6月、消化器内視鏡部門を光学医療診療部として改変、最新の内視鏡機器が整備されました。さらに2010年4月より「内視鏡科」と改称し新たな一歩をふみ出しました。広島総合病院消化器内科では、これらの機器を使って最先端の医療を提供しています。また、吐血に対する緊急内視鏡検査など、地域医療に大いに貢献しています。
広島総合病院消化器内科は、地域でも評判の良質な医療を提供しています。

診療内容

上部消化管

食道や胃の主な疾患としては、食道癌、GERD(逆流性食道炎)、胃炎、胃癌、胃潰瘍と十二指腸潰瘍などがあります。最近のこの分野での話題は、診療実績にもあります内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)です。これは早期胃癌などに対して胃内視鏡で切除する方法で、大きなものまで切除できるメリットがあり近年急速に認知されるようになって来ました。しかしながら高度な内視鏡技術が必要で限られた施設でしかされていないのが現状です。当院ではこの方法により胃癌の治療をおこなっています。

もうひとつの話題はヘリコバクターピロリ(通称ピロリ菌)です。ピロリ菌は人間の胃の中に存在できる唯一の細菌で、胃潰瘍やひいては胃癌までさまざまな病気と関連があるといわれています。当科では、最新のピロリ菌検査である尿素呼気テストをはじめ、さまざまな検査が可能です。さらにピロリ菌の除菌治療にも積極的に取り組んでいます。 その他、胃癌や食道癌で食べ物が通らなくなる状態を治療するステント治療も患者さんのQOL(生活の質)改善のために積極的におこなっています。当科ではこれら最先端の診療技術で診療にあたっています。

肝臓

肝臓疾患としては、脂肪肝(NASH)、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変や肝癌などがあります。慢性肝疾患の原因としては、ウイルス、アルコールや免疫および代謝異常などが考えられます。最近の話題として、C型肝炎に対するPEGインターフェロンとリバベリンの併用療法やB型肝炎に対する核酸アナログ製剤やインターフェロンによる治療などがあります。当科はこれらの治療を積極的におこなっています。

肝癌の最新診断方法として造影超音波検査やプリモビスト造影MRI検査などがあります。私たちはこれらの診断法を最新の機器で実施し臨床の場で活用しています。肝癌に対する治療面では、肝動脈塞栓術、リザバー治療やラジオ波焼灼療法を選択組み合わせておこない最近の治療成績は著しく向上しています。最新の癌化学療法(分子標的薬剤)なども積極的におこなっています。

もうひとつの話題はNASH(非アルコール性脂肪性肝炎、ナッシュ)です。今話題のメタボリックシンドロームの消化器疾患での表現型でもあります。内臓肥満と深い関連があることを実証しました。当科ではNASH診断に必須となっている肝生検を施行し確定診断のもと適切な治療を行っています。広島県下でも有数のNASH診療実績を誇ります。

胆道・膵臓

膵胆道疾患としては、胆嚢結石、総胆管結石、胆管癌、膵癌などがあります。当科は、総胆管の胆石に対し十二指腸カメラを使って取り出す治療法(内視鏡的乳頭切開術・EST)を積極的に行っている施設のひとつです。この治療法は、開腹せずに胆石を内視鏡的に取り出す方法で高度の内視鏡テクニックが必要です。当科は、高い内視鏡技術を評価され、日本消化器内視鏡学会認定施設に指定されています。また、胆管癌や膵癌による閉塞性黄疸に対するステント留置術など最新の治療もおこなっています。無論、当科は広島地方でのリーダー的存在の施設のひとつです。

下部消化管

下部消化管疾患としては、大腸ポリープ、大腸癌などの腫瘍性疾患に加え、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患があります。大腸ポリープや早期大腸癌に対する内視鏡的粘膜切除術は、日常診療で多数おこなわれています。 炎症性腸疾患の治療法として白血球除去療法につきましても当科は早くから潰瘍性大腸炎にこの治療法が有用であることを確認し、ずいぶん以前から臨床応用しています。

当科の特色

広島総合病院消化器内科は、日本消化器病学会認定施設、日本消化器内視鏡学会認定施設、日本老年医学会認定施設に指定されています。これらの指定は学会が認めた高度な良質医療が提供できることを示しています。
さらに当科では、高度医療の実践のみならず、患者さんのQOL(生活の質)を最大限に考慮した治療を心がけています。その端的な例として、我々の癌患者さんに対する治療の考え方を説明します。一言に癌と申しましても、早期癌から末期癌までさまざまな段階の患者さんがいらっしゃいます。すべての段階の癌をまったく同じ視点から対応することはできませんが、我々はある程度一貫した姿勢をとっています。

それは、まず正確に診断し、患者さんや御家族の方に充分納得のいく説明をさせていただくことです。その上で完治をめざした最先端の治療方針から癌そのものに対する治療ではなく症状や生活の質を重視した治療(緩和ケア)までを境目なく御提供するということです。これまでは「癌患者さん」ではなく「癌病巣」そのものの治療か、もしくはまったく癌から目をそらしてその場しのぎの対症療法の両極端な知慮方針を持った医療機関もありましたが、我々の考え方は両方向の良い所だけを取り入れて、また、その他にも患者さんや御家族の心身的安定を得るためにさまざまな方面の治療・対応を取り入れながらすべての癌患者さんを診療していくということです。

このようにいろいろな方面の対応を多角的に取り入れていく治療方針を"集学的"といいます。そして、癌治療における緩和ケアについても先に説明しましたように境目なく必要な癌治療ですので、これらの言葉を合わせて"集学的緩和ケア"と呼称しています。われわれは最先端の内視鏡的治療から緩和ケアまで個々の患者さんを全人的に加療していく方針をとっています。