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糖尿病代謝内科

ニュース・お知らせ

糖尿病神経障害を早期診断する検査があります

2012年9月 1日

糖尿病が高血糖を特徴とする病気であることは、皆様もよくご存じかと思います。高血糖を放置すると図1に示すように神経障害→網膜症→腎症の順に合併症が出現します。したがって、神経障害を早期に発見することは、失明につながる網膜症や透析につながる腎症の予知や発症阻止にも重要です。

しかし従来、神経障害の早期診断や経過を診ていくことが可能な、簡便かつ理解しやすい神経機能検査がなく、かなり進行した状態で神経障害が見つかる患者さんも少なくありませんでした。

そこで当院では約15年前から、図2で示すように「ニューロメーター」という器械を使用して糖尿病神経障害を評価することを始めました。「ニューロメーター」は、足の先に小さな電極を2カ所貼り付けて微弱な電流を流すという簡単な検査です。そして、どの程度の電流刺激を足が感知できるかを自動的に判定します。3種類の周波数で、3種類の異なった感覚を伝える神経を別々に評価できます。正常範囲よりも多くの電流を流さないと感知できない場合は知覚鈍麻、正常よりも少ない電流が感知された場合は知覚過敏と判定されます。

当院での長年の臨床成績から、糖尿病患者さんの神経障害は正常→知覚過敏→知覚鈍麻の順に悪化していくことがわかりましたので、それを用いて糖尿病神経障害の病期分類(神経障害の進行の度合い)を0期(神経障害なし)から5期(重度の神経障害)で作成してみました。

その結果、図3で示すように血糖コントロールが悪い(HbA1cが高い)患者さんでは、神経障害が進行している場合が多いことが証明されました。

また図4で示すように、腎症が進行した患者さんでは神経障害も進行している場合が多いことも証明されました。さらに腎症のない患者さん(腎症1期)でも、約6割に何らかの神経障害がある(神経障害1〜5期)ことも分かり、確かに神経障害は腎症より早期に出現していることも証明できました。

現在当院通院中の糖尿病患者さんには、通常年1回「ニューロメーター」の検査を受けていただき、神経障害の早期発見・進行予防に役立てたり、神経障害の薬物治療の必要性や治療効果を判定したりすることに応用しています。

今後も「ニューロメーター」を活用し、糖尿病患者さんのために役に立つ成績を当院から全国・全世界に向けて発信したいと考えています。

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