JA広島総合病院について

院長挨拶

JA広島総合病院長 藤本 吉範

病院開設

1945年8月6日,広島に原爆が投下,重度の火傷を負った多くの被爆者が,佐伯郡地御前村(現,廿日市市)にあった海軍御用・旭兵器製作所へ,助けを求め避難して来られました。この緊急事態に対処するため,広島県農業会が旭兵器製作所の行員宿舎を買い取り,農業会病院を設立,この救済施設がJA広島総合病院の前身です。JA広島総合病院は,戦争という人類の大きな過ちによって突然生じた戦争災害と闘うための救済施設として誕生した歴史をもっています。
1947年12月23日,農業会佐伯病院がスタート。開設当時は4診療科,60床,職員総数20名の小規模な病院でしたが,現在は医師139名(研修医20名),看護職員682名,医療技術職員175名,事務職員88名の計1,084名が勤務する広島県西部二次医療圏最大の基幹病院として,廿日市市,大竹市だけでなく広島市佐伯区を含む約28万人の住民の方々に急性期医療から健診,訪問看護にいたる幅広い医療を提供しています。

患者さん中心のチーム医療

当院は「患者さんを中心とした最善のチーム医療」を行っています。「患者さん中心のチーム医療」とは,医師,看護師,薬剤師,臨床検査技師,診療放射線技師,臨床工学技士,管理栄養士,理学療法士,作業療法士,視能訓練士,言語聴覚士,歯科衛生士,社会福祉士,事務職員,すべての病院職員が職種を問わず,お互いに尊敬する気持ちをもち,患者さんを自分自身のもっとも大切な人と思って接する医療です。質の高い,優しいチーム医療は,職員が楽しく働き,ゆとりを持ち,互いに尊敬し合う笑顔の絶えない職場環境から育ちます。

医師会との緊密な病診連携

地元医師会である佐伯地区医師会ならびに大竹市医師会,広島市佐伯区医師会に対する感謝と尊敬の念をもった病診連携を行っています。オープンカンファレンスの開催,開放病床,看取り支援も積極的に行っています。紹介率と逆紹介率は,それぞれ91.6%,92.7%と非常に高く,病診連携がきちんとできていること物語っています。
市民公開講座は当院と廿日市市が開催していましたが,昨年度より佐伯地区医師会も新たに参画していただくことになりました。今後も当院の中光副院長と藤本地域連携室長が中心となり,地元医師会との連携をさらにつよめていきたいと考えています。

救急医療の充実

数年前まではJA広島総合病院が位置する広島西二次医療圏には救命救急センターがなく,多くの重症救急患者が広島市内の病院に搬送されていましたが,2011年に地域救命救急センターを開設,昨年度は4,000人以上の救急患者が当センターに搬入されています。
当センターでは,指導医,研修医,救急部スタッフが充実した救急医療を提供するとともに,院内の各臨床科・各部門が積極的にバックアップする体制が整っています。昨春には神戸市立医療センター救急部で3年間の武者修行を終えた高場医師が復帰,今春よりさらに3名の救命救急医(加藤医師,西山医師,松本医師)を増員しました。当センターでの救急医療研修の評価は高く,卒後初期研修医が当院を志望する大きな動機付けとなっています。

一般診療科における診療の充実と発展

JA広島総合病院では,地域の要望に応えることができる質の高い総合的医療を目指しています。高度医療を行うことは当然ですが,「疾患をみるのではなく,疾患をもつ人をみる」が診療の基本姿勢です。

1.内科系診療部門

今春より,広島大学より准教授の溝岡医師,長澤医師を迎え「総合診療科」を立ち上げました。「総合診療科」では,紹介状を持たない,または何科にかかってよいか分からない患者さんに対し,幅広い診療を行い,初期診断や治療の分担,各診療科への振り分けなどを行います。
循環器内科では,心筋梗塞や狭心症から患者さんの命を守るために24時間体制で診療を行い,良好な治療成績をおさめています。昨年度,渡邉医師が赴任,頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーションを開始,さらに充実した不整脈診療を行っています。
内視鏡センターでは,安楽な内視鏡検査はもちろん,早期がんには内視鏡的粘膜下層剥離術という革新的な低侵襲治療を行なっています。全国に先駆けて「脂肪肝専門外来」を開設,肝臓癌に対してはラジオ波焼灼療法を実施しています。
糖尿病センターでは,県内でも最多の年間延べ15,000人の患者さんが受診されています。医師だけでなく看護師や管理栄養士,薬剤師,理学療法士によるチーム医療によって,患者さんには合併症のない人生を送っていただけるよう日々努力しています。

2.外科系診療部門

低侵襲手術が基本的な手術戦略です。腹腔鏡,内視鏡は小さい切開とハイビジョン映像は,患者さんの体にやさしい手術と正確な手術手技を実現します。当院の消化器外科,呼吸器外科,泌尿器科,産婦人科,乳腺外科,整形外科,耳鼻科には,腹腔鏡,胸腔鏡,内視鏡に精通する外科医がそろっています。眼科疾患,脊椎・脊髄疾患,脳腫瘍,脳血管障害に対する顕微鏡手術も精力的に行なわれており,脊椎・脊髄疾患手術件数は全国でもトップレベルです。経皮的手術(切らない手術)として,大動脈瘤ステント手術,脳動脈瘤コイル塞栓術,骨セメントを使う脊柱後弯矯正術 (Balloon Kyphoplasty: BKP) が行なわれています。当院はBKP研修病院に指定されており,すでに100以上の施設より医師が研修に訪れています。

がんの治療

がん診療連携拠点病院として,年間約1,300人のがん患者さんの治療を行っています。がんの治療は早期発見と早期治療が最も大切です。健康管理センターでは,腹部超音波検査,婦人科検診,乳がん検診,CTによる肺がん検診など,がんの早期発見を行っています。外来化学療法治療室では,がん患者さんがこれまでの生活をできるだけ維持しながら有効な治療が受けられるよう,専門スタッフが治療を行っています。放射線治療は,2001年より前立腺がんに対し中国四国地方では最初となる強度変調放射線治療,2009年より肺がん・肝臓がんに対し体幹部定位放射線治療を開始しています。体にやさしい,高精度放射線治療(ピンポイント照射)に力をいれています。2009年9月より「緩和ケア科」を開設し,がん患者さんの身体的・精神的苦痛について,患者さんやご家族の希望に沿いながら,診察,相談に応じています。おしゃべりサロン,膵がん・胆道がん教室など,がんに対する集学的治療だけでなく幅広いチーム医療を行うことができる県下でも数少ない病院です。

廿日市メディカルタウン将来構想

2014年,廿日市市・広島厚生連・JA広島総合病院の間で廿日市市地域医療拠点等整備に関する基本協定調印式が結ばれました。JA広島総合病院を中心とする「医療と福祉を中心としたまちづくり」を行なうプロジェクトです。現在、多くの事業者が当院に隣接する立地条件を好意的にとらえており,地方創生を目指す民間企業の参入が期待できます。若い人から高齢者まで安心して暮らせるまちづくりを目指しています。

JA広島総合病院は,職員一同,患者さんやご家族に喜んでいただける,良質な医療を提供する病院になるよう努力して参ります。みなさまのご協力とご支援を心よりお願い申し上げます。

2018年4月
病院長 藤本吉範